商標登録とは? <商標登録を理解しよう>

そもそも商標とは何?

トレードマーク(™)、サービスマーク(℠)、などとも略称される。商品や役務を提供される需要者が、商品や役務の提供者を認知するための文字、図形、記号、立体的形状、色彩、音などの標識で、14世紀の法学者バルト―ルスが紋章法と併せて発案した概念である。商品や役務の提供者が、商品の販売時に商品や包装、役務の提供に使用される物や電磁的な映像面などに商標を付すと、需要者は商標により出所を認識して選択できる。商品や役務の提供を一定以上の質で継続すると、商標は広範の需要者から認知が高まるとともに信用度が向上して財産的価値が生じ、特許権や著作権などと同様に知的財産権として条約や法律で保護され、優れた商標は産業の発展と需要者の利益に有益である。 「"商標"」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』より。
2020年2月3日 (月) 23:03
URL: http://ja.wikipedia.org/wiki/商標

商標とは、簡単に言うと「誰が作った商品なのか?」「誰が提供しているサービスなのか?」ということを表すマークのことです。

例えば、「カローラ※1」はトヨタ自動車株式会社の商品名を示し、「宅急便※2」はヤマト運輸株式会社のサービス名を表すものとして知られています。また、会社名や店舗名を使って商品・サービスを取り扱う場合は、その会社名・店舗名が商標に該当します。

※1 登録番号:第736215号 指定商品:「自動車並びにその部品及び附属品」など
※2 登録番号:第3023793号 指定役務:「貨物車による輸送」など

商標の機能

商標を付すことで、自分の商品を識別するだけでなく、その商品の出所や品質保証まで示すことが出来、更には広告宣伝の機能まで範囲は広がります。たとえば、「コカコーラ※3」。商標を付すことで、類似商品と区分し、コカコーラ社が製造し、いつも変わらぬ同じ味、なぜかたまに飲みたくなる「ペプシ」じゃなく「コーラ」、ということを需要者に伝える事ができます。

※3 登録番号:第1499892号 指定商品:「コーラ飲料」など

商標の4つの役割
  • 「自他商品識別機能」 文字通り自分の商品等と他人の商品等を区分する機能。
  • 「出所表示機能」 同一の商標を付した商品等は常に一定の出所から流通されていることを示す機能。
  • 「品質保証機能」 同一の商標を付した商品等は、同一の品質を有していることを示す機能。
  • 「宣伝広告機能」 商標によって自分の商品と、他人の商品の差別化をはかり、需要者に自分の商品を買いたいという意欲を起こさせる機能。

商標を登録するってどういうこと?

商標登録とは、特許庁が行う商標権発生までの行政手続のことです。特許庁へ商標登録出願(申請)をした後、登録要件を満たしているか否かの審査を経て、無事に商標原簿へ商標権の設定登録をされることで、商標権が発生します。

商標権が発生した商標を登録商標といい、その商標の権利者(商標権者)は、その商標を出願時に指定した商品または役務の範囲内で、独占排他的に使用することができます。すなわち、商標登録を先にしてしまえば、他人はその名称を使用できなくなるのです。このように商標権は非常に強力な権利のため、大企業に限らず、たくさんの中小企業・個人の方まで様々な方が、この商標制度を利用しており、年間約10万件の商標が新たに出願されています。

商標権の特徴

商標権とは、商標法で定められた、商標を登録することで得ることができる、商標の使用をする者に与えられる独占的な使用権のことです。商標権は、特許庁に出願し審査を通過して登録されれば、指定商品または指定役務の範囲において、独占排他的に権利者だけが使用できる、とても強い権利です!

  • 商標権は、同一商標だけではなく、類似商標にまで権利範囲が及びます。
  • 商標権は、異なる営業地域であっても、全国的に権利範囲が及びます。
  • 商標権は、更新することによって、半永久的に保持することができる権利です。
  • 商標権は、故意・過失を問わず(知らなくても)、侵害が許されない権利です。
  • 商標権は、早いもの勝ちの権利です。
    ※日本では、先使用主義ではなく、先願主義が採用されています。

商標を登録するとどんなメリットがあるの?

商標を登録することで得られるメリットを一言で言うと、商標登録をして商標権者になると、商品名やサービス名などに同じ商標を使用している人がいた場合、その商標の使用を差し止めることができるという点です。そして、それでも商標の使用を続けている人がいれば、損害賠償を請求することも可能です。また、逆に考えると商標登録をしていることで、他人からその商標の使用の差し止め請求を受けたり、損害賠償請求をされたりということが無くなります。

商標登録のメリット

  • 商標登録すれば、その商標は自社だけが独占的に使用できます。
  • 他社はその同一の商標だけでなく、よく似た商標も使用できなくなります。
  • 「登録商標マーク ®」(registered trademark)を付することにより、お客様への信用力アップにつながり、他社に対する牽制になります。
  • 商標権のライセンスができます。(商標権は財産です)
  • 商標権は更新することで、半永久的な権利として守られます。
  • 商標の使用差し止め、および損害賠償請求ができます。

商標登録のケーススタディ

貴社が「コリンズハウス」という喫茶店を始めたとします。その喫茶店のコーヒーが大評判となり、かなりの収益があります。そんなとき、貴社とは全く関係のないXYZという会社が「コリンズハウス」という喫茶店を大々的に始めてしまいました。
せっかく貴社の努力により「コリンズハウス」の人気が出たのに、客は貴社の店と勘違いしてXYZのお店に行ってしまい、貴社の「コリンズハウス」はたちまち赤字に。。。さらに、XYZの「コリンズハウス」のコーヒーはとてもマズかったので、「コリンズハウスはマズい」との評判が広まり、貴社の「コリンズハウス」は閑古鳥が鳴くようになってしまいました。

【ケース1:最善のケース】
もし貴社が事前に「コリンズハウス」の商標登録を受けていれば、XYZは「コリンズハウス」という店名で喫茶店を営業することができません。仮に出店しても「コリンズハウス」という店名の使用を差し止めることができます。それでもXYZが喫茶店「コリンズハウス」を営業し続ければ、貴社はXYZに損害賠償を請求することができます。

【ケース2:最悪のケース】
逆に、XYZが先に「コリンズハウス」の商標登録を受けてしまった場合、貴社は、XYZから喫茶店名「コリンズハウス」の使用差し止めや損害賠償を請求されるだけでなく、刑事罰を受けるおそれもあります。しかし、貴社が先に商標登録を受けておけば、この事態を回避することができます。

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