地域団体商標登録制度

地域団体商標制度について

地域団体商標制度とは?

地域団体商標制度とは、いわゆる「地域ブランド」として用いられることが多い「地域の名称+商品(役務)の名称等」からなる文字商標について、登録要件(商標登録が認められる条件)を緩和するものです。

地域の産品等についての事業者の信用の維持を図り、地域ブランドの保護による日本の産業競争力と地域経済の活性化を目的として2005年に新設されました。

地域団体商標制度の立法趣旨

近年、特色ある地域づくりの一環として、地域の特産品等を他の地域のものと差別化を図るための地域ブランド作りが全国的に盛んになっています。このような地域ブランド化の取組では、地域の特産品にその産地の地域名を付す等、地域名と商品名からなる商標が数多く用いられています。しかしながら、従来の商標法では、このような地域名と商品名からなる商標は、商標としての識別力を有しない、特定の者の独占になじまない等の理由により、図形と組み合わされた場合や全国的な知名度を獲得した場合を除き、商標登録を受けることはできませんでした。

このような地域名と商品名からなる商標がより早い段階で商標登録を受けられるようにすることにより、地域ブランドの育成に資するため、平成17年の通常国会で「商標法の一部を改正する法律」が成立しました。平成18年4月1日に同法が施行され、地域団体商標制度がスタートし、高い関心を集めています。

現在のところ、全国各地の特産品等が地域団体商標として550件以上が登録となっています。

特許庁WEBページから引用)

主体要件の緩和

2014年に地域団体商標に関する改正がされ、地域団体商標の主体要件(権利者となることができる条件)が拡充されました。

それまでは、事業協同組合等に限られていましたが、地域ブランドの普及の担い手である下記の団体も地域団体商標の主体となることができるようになりました。
・商工会
・商工会議所
・特定非営利活動法人(NPO法人)

地域団体商標の登録要件

下記の要件をすべて満たす必要があります。

  1. 地域団体商標の主体となれる団体であること
    例:
    ・事業協同組合
    ・その他の特別の法律により設立された組合(ex. 農業協同組合、漁業協同組合、酒造組合)
    ※法人格を有しないものを除き、当該特別の法律において、正当な理由がないのに、構成員たる資格を有する者の加入を拒み、又はその加入につき現在の構成員が加入の際に付されるよりも困難な条件を付してはならない旨の定めのあるものに限る。)
    ・商工会、商工会議所、特定非営利活動法人(NPO法人)
    ※主体となれない団体:株式会社、地方自治体、公益法人、農事組合法人 等
  2. 出願された商標が構成員に使用をさせる商標であること
  3. 出願された商標が地域の名称及び商品(役務)の名称等からなる文字商標であること
  4. 出願された商標中の地域の名称が出願前から当該商標の使用をしている商品(役務)と密接な関連性を有していること
  5. 出願された商標が周知となっていること(例えば、隣接都道府県に及ぶ程度の需要者に認識されていること)

登録商標の例(50音表示)

有馬温泉
岩槻人形
十勝和牛
船橋のなし
吉野杉

あるなし商標検索バナー