自分で商標検索!

自分で商標検索!

商標登録をしたい!しかし、同じ商標が既に誰かによって登録されているかも…? ここでは、そんな疑問を解決するために、特許庁のデータべース特許情報プラットフォーム(J-Plat Pat)を利用した、商標検索の方法を解説します。

特許情報プラットフォームで商標検索

特許情報プラットフォーム(J-Plat Pat)のデータベースを利用して商標を検索する方法はさまざまありますが、ここでは初心者向けに、iRify国際特許事務所がお勧めする簡単な商標調査方法をご紹介します。

以下、具体例を挙げて説明していきましょう。

・登録したい商標(ネーミング):ニッポニア日本
・その商標を使用する商品:シャンプー

Step1 類似群コードを調べましょう

特許庁の審査においては、権利取得を希望する商品名・役務名(サービス名)が異なっていても、同じ類似群コードが付された商品・役務は互いに類似するものと推定されます。そして、類似群コードが同じ商品・役務について、先に登録された商標と同じか似ている商標を登録することは、原則としてできません。

例えば、「シャンプー」と「せっけん」は、商品名は違いますが、共に類似群コードは「04A01」となっています。そのため、先に「せっけん」について商標「ニッポニア日本」が登録されていた場合には、「シャンプー」について商標「ニッポニア日本」を登録することは、原則できません。

逆に、類似群コードが異なる商品・役務であれば、先に登録されている商標と同じか似ている商標(類似商標)であっても、登録できる可能性があることになります。

例えば、「シャンプー」と「財布(類似群コード:21C01)」は類似群コードが異なるので、先に「財布」について商標「ニッポニア日本」が登録されていた場合でも、「シャンプー」について商標「ニッポニア日本」を登録できることがあります。

そこで、まずは商標を使用する商品・役務の類似群コードを調べてみましょう。


1.特許情報プラットフォーム(J-Plat Pat)の「商品・役務名検索」ページにアクセスしてください。

特許情報プラットフォーム(J-Plat Pat)類似群コードの使い方1

2.「商品・役務名」の欄に「シャンプー」と入力し、「検索」ボタンをクリックします。

特許情報プラットフォーム(J-Plat Pat)類似群コードの使い方2

3.「一覧表示」ボタンをクリックしてください。

特許情報プラットフォーム(J-Plat Pat)類似群コードの使い方3

次のような検索結果が表示されます。

検索結果一覧を見ると、「シャンプー」の類似群コードは「04A01」だとわかりました。

この類似群コード「04A01」は後述するStep2の「称呼検索」で必要となるので、覚えておいてください。

なお、「商品・役務名検索」で入力する「商品・役務名」は、具体的でなければなりません。例えば、「雑貨」、「店名」といった記載は具体的でなく、特許庁へ提出する願書(書類)に記載することができません。

実際に、「商品・役務名検索」で「雑貨」、「店名」と検索しても、「雑貨」そのもの、「店名」そのものは出てきません。「雑貨」であれば、具体的に「ろうそく」などと入力するようにしてください。

Step2 称呼検索をしましょう

1.特許情報プラットフォーム(J-Plat Pat)の「商標出願・登録情報」を開いてください。

特許情報プラットフォーム(J-Plat Pat)称呼検索の使い方1

2.青丸で囲った下矢印をクリックします。

特許情報プラットフォーム(J-Plat Pat)称呼検索の使い方2

3.上から3番目に表示される「類似群コード」を選択してください。

特許情報プラットフォーム(J-Plat Pat)称呼検索の使い方3

4.Step1で調べた「シャンプー」の類似群コード「04A01」を入力します。

特許情報プラットフォーム(J-Plat Pat)称呼検索の使い方4

5.検索項目2列目の「称呼(単純文字列検索)」の欄に、登録したい商標「ニッポニア日本」の読みを片仮名で入力します(「ニッポニアニッポン」と入力)。
片仮名で入力しないとエラーとなるので注意しましょう。
「検索」ボタンをクリックすると、検索結果が表示されます。

「ヒット件数 0件」と表示されました。
これは、商品「シャンプー」について、「ニッポニア日本」と同じ称呼(発音)の商標は登録(出願)されていないことを意味します。
「ニッポニア日本」を商標登録出願すれば、商標登録が認められる可能性があることがわかりました。

ただし、出願された商標の情報がデータベースに反映されるまでにはタイムラグがあります。「ヒット件数 0件」と表示されたとしても、このタイムラグの間に同じ称呼(発音)の商標が出願されている可能性はあります。

特許情報プラットフォーム(J-Plat Pat)称呼検索の使い方5

※なお、同じ称呼(発音)の商標が登録されている場合は、下記のように表示されます。

下図は、商品「シャンプー」(正確に言えば、類似群コード04A01が付された商品・役務)について、「メリット」という称呼(発音)が生じる商標が8件登録又は出願されているということを表わしています。

特許情報プラットフォーム(J-Plat Pat)称呼検索の使い方6

「一覧表示」ボタンをクリックすると次のような画面が表示され、上記の商標の具体的な情報を見ることができます。

特許情報プラットフォーム(J-Plat Pat)称呼検索の使い方7

原則として、同じ称呼(発音)の商標が登録されていると、後から商標登録することは困難です。
この例で言えば、商品「シャンプー」について、商標「Merit」(称呼:メリット)を登録することは、花王株式会社(登録商標「MERIT\メリット」等の商標権者)以外はできません。

【注意事項】

特許庁の審査官が行う審査項目は約30あり、同じ称呼(発音)の商標が登録されていなければ、商標登録が認められるとはいえません。
例えば、商標権の効力は類似の範囲にも及ぶので、権利取得を希望する商品・役務について称呼(発音)・外観(見た目)・観念(意味合い)が似ている商標が既に登録されている場合でも、原則として商標登録が認められません。
また、同一・類似の商標が登録されていなくても、そもそも商標登録に適さない言葉(ネーミング)もあります。

一方、同じ称呼(発音)の商標が登録されていたとしても、商標登録ができることもあります。

これらすべてを調査・判断するには高度な知識と経験が要求され、素人の方が自分で行うのは困難です。正確でより詳しい商標調査は、商標の専門家である弁理士などに依頼することをお勧めします。

なお、ロゴ商標(図形商標)の場合は、似ているデザインの商標が登録されていないかを調べる必要があり、ここで説明した方法では調査できません。

iRify国際特許事務所では、特許庁への商標登録を前向きに検討されている方に、約30の審査項目すべてについて考察し、調査結果をご報告する「厳密調査(商標登録出願前の事前調査)」を無料で提供しています。下記フォームからお気軽にお申込みください。

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