<実例から学ぼう> KARAが広告している「CUVILADY」

実例から学ぼうシリーズ:第一弾として、韓国の5人組アイドルグループ「KARA」が広告となっている商品「CUVILADY」を取り上げます。

CUVILADY ロゴ

商標NOW「登録できない商標~記述的商標(商標法3条1項3号)~」の記事で、商品やサービスの特徴をそのまま表記しただけでは「記述的商標」となり、商標登録が認められないことを解説しました。

一方で、商品・サービスの特徴をお客様に簡潔に伝えることができる表記を商品名・サービス名(商標)としたい場合も多々ありますよね。

今回の商標「CUVILADY」(登録第5516502号)は、「記述的商標」となることを回避しつつ、商品の特徴を上手に表現できている好例といえます。学んでください。

「CUVILADY」は株式会社MTGの商品で、公式ページの説明によると「単純にダウンサイジングするだけではなく、くびれを科学的に研究し、美しいからだのための運動を可能にしたバランスチェア」とのこと。
要は、くびれボディを目指す女性のための椅子ですね。

詳しくは、公式ページをご覧ください。
「KARAって誰よ?」っていう方もどうぞ(笑)
http://cuvilady.jp/about/

例えば、この商標を「くびれ養成チェア」としてしまうと、商品の特徴を説明しているに過ぎないとして「記述的商標」に該当する可能性が高いわけです。
この点、「CUVILADY」は商品の特徴を直接説明しているわけではないので、「記述的商標」とはなりません。

商品の特徴を直接説明してはいませんが、需要者が商品の説明文と一緒に「CUVILADY」を見れば、「くびれ」と「LADY」を合体させた造語であろうことが理解でき、「くびれボディを目指す女性のための椅子」の商標・ブランド名として強く印象に残るはずです。

加えて、広告塔のKARAは「ミスター」という曲の振り付けで披露されるヒップダンスが有名です。

え!知らない?

この商品のターゲットと思われる20~30代の女性のほとんどは知っているのですよ(笑)。

そうすると、KARAの腰を回すヒップダンスのイメージと結び付いて、商標「CUVILADY」と「くびれボディを目指す女性のための椅子」という商品の特徴をターゲット女性に短時間で記憶させることに成功していると思われます。

うまいですよね。

極め付けは、テレビCMで流れているKARAの曲が「シェイク・イット・アップ」。
これでもか!という感じです。

広告やテレビCMでは、「CUVILADY」の右下に登録商標であることをアピールする「Rマーク」もしっかり入っています。

さらに、「CUVILADY」の指定商品(権利保護が及ぶ商品)は、「運動用具」だけではありません。以下の3区分を抑えています。

(区分20)
ソファー,スツール,腰掛け椅子,座椅子,その他の椅子,エアークッション,携帯用クッション,その他のクッション

(区分28)
エクササイズ用ボール,トレーニング用具,エクササイズトレーニング用具,その他の運動用具

(区分41)
トレーニング方法の教授,フィットネスクラブにおけるトレーニングの指導,フィットネスの教授又は指導,運動の指導又は教授,技芸・スポーツ又は知識の教授

「CUVILADY」が有名になれば、その信用・評価に「ただ乗り」しようという輩が出てくるのが世の常です。

ここで、指定商品として「運動用具」が含まれる(区分28)でしか権利取得をしていなかったとすると、エクササイズとしての機能を有しない通常の椅子に「CUVILADY」を使用している他人や「CUVILADY」の講座名でトレーニングを教えている他人には商標権が及ばず、やっかいなことになります。「CUVILADY」を使用してのビジネス展開が妨げられてしまうわけです。

株式会社MTGは、こうしたことを見越して(区分20)と(区分41)も抜かりなく権利取得したのでしょう。

なお、公式ページでは「特許出願中」となっています。

バランスチェア クビレディ
出典:株式会社MTG WEBページ

ブランドを守る「商標」だけでなく、アイディアを守る「特許」でも権利を守ろうということです。しかしながら、「特許」は出願してから結論が出るまで通常数年は要します。

そこで、まずは「商標」でブランド名を守り、ブランディングしていくことは、知財を有効活用する大変賢い方法です。

株式会社MTGは知財戦略をしっかり考えている会社といえますね。

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